最近、稽古後稽古で日拳T君が横面の捌きを練習しているのをよく見かけます。
私もあれは大好きです。
相手の打ち込みの勢いにうまく合わせて捌けないとどうしても相手の手を強く叩いてしまいます。
捌くときに意識しなければならないことは、何よりも相手と「合わせる」ことだと思います。
自意識が過剰になって「俺が中心」と思ったり、自分の身体の動きばかりを意識して動いていると、いくら相手の力を流しても相手との繋がり、あるいはつなぎ、ができないのでどうしても当たりが強くなってしまいます。
最初の頃はどうしても自分の身体のコントロールで手一杯なのでそうなってしまいます。
T君はもともとそういう動きが好きなので、イメージが上手くできているのではないかと思います。反対に内部に錬成傾向のあるNoriさんは苦手かも。(^^)
大体皆さん黒帯になってしばらくしたころに悩むのではないかと思っています。
中には相手に合わせる合気道を稽古することなく過ごしてしまう人も見かけますが、私としてはちょっと残念な気がします。折角合気道らしい面白い感覚なのに。
私が教えていただく先生方も本当に「摩訶不思議な」技を使われます。見た目はまるで踊りのように見えるのですが、本気で攻撃している自分が抑え込まれたり、流されたりして全くなんともできない。はたから見ているだけでは全くわからないのが面白くもあり、不思議でもあります。きっと洗練された本物の動きだから舞踏のように美しく見えるのでしょう。
柔らかい世界を体験したことのない人の中には、そういう合気道を否定する人もいますがそういう話を聞いていると「知らないのは可哀相だな」と残念に思ってしまいます。
以前は私も半信半疑でしたが、実際に子供のように制される経験をしたり、また稽古会や講習会で初めて会った方が同じ合気道を目指しているのを見るようになって、自分の方針が間違っているわけではないと思えるようになりました。
もちろん、柔らかさを追究することと、その場でどんな技を使うかは別の問題だと思います。私自身はズドンと入る技も嫌いではありません(友達はなくしそうですが)。その時も柔らかさの追究で身につけたことを使えるようになるといいな、と思って日々稽古しています。
頑張れT君。
でも、あんまり全体稽古の時に違うことばっかりやっているなよ。