今日の稽古の記憶がなくならないうちに。
最近ありがたいことに、毎月田中先生と佐原先生の稽古に参加させて頂いています。
稽古の中で私が感じることを書いてみようかな、と思います。
一応色々な方面に配慮してメンバー限定ということで。
まず田中先生について私の感想ですが、
ともかく体幹が強い!
個人的にあまり100%とか絶対とかいう言葉は使いたくありません。
でも、田中先生の技を受けると「絶対的な体幹」というものが存在するんだということを嫌というほど痛感させられます。
体幹が絶対的なので、相手がどんなにがっちり持ってきても、力があっても揺らぐことがない。
齢87歳にして私が全く歯が立たない理由はその絶対的な体幹にあると思っています。
正直この体幹の強さは鍛錬で養えるレベルを超えているような気がします。
おそらく若いころはその体幹の強さに合わせて、膂力もあったでしょうから、本当に強かったのだと思います。
先生は現在の御自身をすっかり年老いたと嘆かれますが、体幹の強さは相変わらず健在です。
よくわからない人は副館長代理補佐さんとMightyさんに聞いてみてください。
先生を拝見していて励みになるのは、いくつになっても体幹の強さは衰えないものだ、ということです。
もちろん、継続した鍛錬が必要になることは当たり前ですが、若い力に対抗できるのが体幹の強さだと感じます。
それを鍛えることで若さに負けない強さを身につけられると思えば、これから先の稽古の励みになります。
ね、RAHさん。
現在の先生の技はその絶対的な体幹に「無駄な力が入れられない」状況の絶妙なバランスだと思います。
往年の力が無くなった今、却って体幹以外の部分に力を入れない、という感じで動かれています。それがまたとてもいやらしい。
一生懸命持ちにいっても、末端に力は入っていないは、体幹は崩れないわ、どうしようもありません。
次に佐原先生の技は
ともかく動きがやわらかい。
とはいえ、単にやわらかいのではなく、軸が非常にしっかりしている。
軸をしっかりと保ちながら、柔らかく自由に動くことで力を使わずに相手を制する。
指導を受けると、接点のセンサーを意識することを言われますが、そのためには自身の体が非常に柔軟かつ自由に動く必要があります。
しかし、動けば動くほどバランスを崩すのが人間です。
自由に動きながら軸を安定させる、非常に難しいことです。
佐原先生は柔らかく動かれながら軸を安定されていますが、静から動、柔から剛へ瞬時に転換する瞬間があります。この瞬間に田中先生と同じ体幹の強さを感じます。
強いて違いを述べるのであれば、田中先生の体幹が基質として体自身に備わっているものだとすると、佐原先生の体幹は動的な動きによって形成される機能的なものであり、鍛錬に資する部分が多いということです。
もちろん、田中先生のような体幹もある程度は鍛錬で鍛えることができると思います。
山口清吾先生の直径で柔らかいタッチを術理としながら、そのために揺るがない体幹を作る佐原先生と、揺るがない体幹を基にそれ以外の部分の脱力行う田中先生。
一見全く別なように見えて、全体としては同じ到達点にあるような気がします。
どちらがよいか、どちらを目指すかはそれぞれの自由です。
ただ、お二人の先生に投げられながら感じることは、どちらを目指しても最終的には同じところに辿りつくのだな、ということです。
自分自身はもう少し、色々と悩みながら、ふらふらしながら、Noriさんに悟られないように悶々としながら自分の技を練っていきたいと思います。