身体の大小についての考え方

名古屋至誠館ができた当時、大人は私も含めて全体に小柄でした。
今は、大柄あるいはがっしりした大人も随分増えました。
自分とにたような身長の人と稽古するのは、感覚的にもわかりやすいことが多く、やりやすいと思います。

けれども、自分と身長や体格がずいぶんと異なる人を相手にするのは大変だと思います。
初心者は、身体の小さな人が身体の大きな人に技をかけることは難しいが身体の大きい人が身体の小さい人に技をかけるのは簡単なので、身体の小さい方が不利だと考えがちです。それは違うと思います。
そんな風に考えてしまうのは、一般的に身体の大きい人は身体の小さい人に比べて相対的に力が強いため、力任せに技をかけても小さい人を投げたり決めたりすることができるからです。いいかえれば、大きさの優位を感じるのは技でなく力で相手を制しているからにすぎないのではないでしょうか。
だから、一定以上のレベルの人を相手にするようになると、相手より体が大きくても無理矢理投げることはできなくなります。力でかけている限りは早晩限界が来ると思います。

伝説の達人には小柄な人がたくさんいます。これは小柄な方が柔術に向いているというわけではなく、小柄な人は力任せに相手を制することができないので創意工夫したり、徹底した修練を積むからだと思います。そう考えると、身体が大きいということは増上慢に陥るリスクも大きいわけで、身体の大きい方が得ということはないと思います。

一方で身体の小さい人が身体の大きい人に技をかけられないのは、自分の身体的な利に気が付いていないからだと考えます。最初にも述べましたが、人は何も意識しない状態では自分自身の身長や体重を基準として行動します。身長の高い人は、日常のすべての行動を高い身長で行っています。そのため、低い位置で身体を動かすことに慣れていません。ですから、身長の低い人の高さに付き合わされると、バランスを崩してしまいます。

大切なのは、相手に惑わされずに自分の身体的な利を生かすこと。そのためには、身長の差は互いに平等に有利不利に働くのであり、一方的な不利益はないことを何よりも心に刻み込んで動揺しないこと、その上で普段の稽古から自分の身体感覚をしっかり磨くようにすること、が大切だと思います。
特に、身体感覚を磨く稽古についてはまた改めて述べてみたいと思います。

「身体の大小についての考え方」への5件のフィードバック

    1. Eさんにそんな風に言われると照れてしまいます・・・
      !! そうだ!
      最近御無沙汰ですね。時間ができたら是非遊びに来てください。
      いつでも大歓迎ですよー。
      私はいろいろいっぱいになっていることも多いですが、自由に楽しいんでいってください。

      1. ありがとうございます。
        是非宜しくお願いします。
        私の技術も公開しますので、
        がんさんのもよろしくお願い致します。

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