意識と身体

正しいかどうか全く自信は(というより根拠は)ないのですが、自分としては意識と身体では意識が主で身体が従だと考えています。「自由自在」という言葉がありますが、武道においてこの言葉は「自分の思った通りに身体を動かすことができる」という意味だと思います。こういう言い方をすると、咄嗟に意識することなく身体が動くことが大切ではないのか、と言われそうなのですがそれも全くもって正しいと思います。

つまり、意識下における動作(あるいは能動的所作)においては、自分の意識した通りに身体を動かせるようにすることを目標として、無意識下のおける動作(あるいは受動的所作)においては身体の発動を制約する意識を働かないように訓練することにより(例えば急な攻撃を受けても驚いて身構えないように訓練する)消極的な意味において身体を意識の従としようとしているのではないか、と思っています。

もちろん、稽古は身体を動かすものなのでここでいう従が稽古の主役になるという複雑な関係が生じるわけですが、その際にも以上の主従を十分に考えながら稽古できると「自由自在」に技が出せるようになるのではないか、と考えています。