12/21午前

今更ですが先日の稽古に関して。

稽古内容について述べる前に、私の合気道に関する一つの考えを述べます。合気道の下手上手は技の動き云々ではなく身体がどれだけできているかだと考えています。この身体というのは筋肉量というよりはバランスの完成度であり、臍下丹田への集中度であります。バランスが完成されていればいるほど、臍下丹田への集中度が高ければ高いほど様々な動きをした際に余分な筋力は必要としなくなりますし、余分な筋力を必要としなければ各部位に生ずる力みというものも生じにくくなります。さらに様々な動きをする際の余計な力みがなくなれば動きによって生ずるエネルギーをより直接的に相手にも伝えれるようになります。以上のような理由から身体作りは合気道において非常に大事な要素だと思います。そしてそれぞれの技は勿論技としての効能もありますが身体作りのための様々な手段だとも思っています。しかしそれぞれの技を分解した場合に大体3項目以上の手段が含まれているため、身体作りにとって効率的ではあるのですが一つ一つを習得しにくいというデメリットも含まれています。

例えば四方投げについて見てみると、

・歩き方ができているか。

・腕の振り上げ、振り下ろしができているか。

・接触時に緊張しないか。

などざっと挙げただけでも3項目あり、これらがすべてある一定以上のレベルでできないと気持ちよい技はできないでしょう。かといって四方投げの技の中でそれぞれを分解して訓練することは難しい。というわけで12/21のような練習を行いました。

12/21の練習では既にNoriさんが投稿してくださったように

・片足の時もバランスを意識した四股。
・二人一組でおんぶして腰を落とした低い姿勢で畳の往復。
・三人一組で更に帯のあたりを押してもらって丹田に力をこめて同じことを片道

・早四股

・腰を切る練習。

などを行いましたがこれらはすべて正しく歩けるかに通じます。片足の時もバランスを意識した四股・早四股・腰を切る練習は一見違う練習に見えます。しかしそもそも歩く際にはバランスをもっともっと意識しなければなりませんし、無駄な力はできる限りぬけていなければなりません。そして皆さんには「片足のときもバランスを意識した四股」の時並みに高い意識をバランスに対して持った状態にて練習の時には歩いていただきたいと思います。そうすればただ歩いているだけに近い状態で「腰を切る練習」で行ったような動きができます。「腰を切る練習」は実は腰を切るではなく正しく歩けた場合の先に見えるものを実践していただいたに過ぎません。

 今回は歩くに特化しましたが、受身や腕の上げ下げ一つとっても高いレベルで行えるようになれば即技を行っているように見えるようになります。もちろん漫然と、練習前の準備運動のような気持ちで受身を取っていては決して高いレベルにはなりません。床を蹴らず・床に接する際にどれだけ接する部位への圧力を均等化するか・どれだけ身体を緊張させずに行うか・どれだけ筋力を使わずに身体の重みだけで行うか など実は受身一つとっても気にする項目は多種多様にわたります。色々な動きに対しても同様に一度考えてみることは決してマイナスにならないと思います。

P.S. ただし考えるのは練習前・技に入る前で、練習中・技の最中はあまり悶々しないでくださいね。

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