剣の稽古について

公言はしていなかったのですが、この1年間ずっと「剣術の稽古」をやれる環境作りが一つの目標でした。
白帯が急に増えたことや、剣術を教えられる人の数の少ないこと。
これらをひとつずつクリアすることが「私の課題」でした。

門人のみなさんは私が剣術を教えることを至極当たり前のこととおもっているかと思います。
名古屋至誠館ではそうなんですが。

でも、もしこのブログを東大合気道部OBが読んでいたら「 (★★)! 」と思うでしょう。
OBになってからも20年以上大学の稽古や合宿に参加し続けていますが、そこでほとんど剣術を教えたりすることはありませんでした。
私にとってずっと剣術は「自分だけの稽古」でした。
それは「他人になんか教えるもんか」とか「他の人とやりたくないね」という意味ではなく、普段私たちが稽古しているのは合気道なので、そこに剣術を「当然やるべきもの」
として入れるのは抵抗を感じていたからです。

一方で剣術の理は、身体の使い方にとって非常に役に立つと思っていたので、自分自身は剣を振る機会をできるだけ持つようにしていました。基本的に剣を振るのは好きです。多分前の道場で一緒に稽古していた人たちも、私が一人で剣を振っているのをよく見かけたことかと思います。

そんな考えのもと剣を稽古してきたので、「他人と剣術をやる」「他人に剣を教える」というのは、非常にレアだったと思います。私と稽古したことのある何百人もの東大OBの中でも、私と剣をやったという人の割合は数%もないのではないでしょうか。
ということで、現在わが道場では私が剣を教えるという珍しい状況が日常化しているわけです

実は前の道場でも剣術はいつかやらなければならないな、と思っていました。でも、私自身のこだわりとして剣術をやにはそれなりの土台が必要であると考えていたため、なかなか剣術の稽古の実施には踏み切れませんでした。何しろ中途半端に剣術をやることはとても危険です。徒手の稽古であれば子ども同士で骨が折れるような事故はめったにありませんが、剣は別です。固くて重量のある武器を未熟な人が振り回せば、当然大けがをするリスクに繋がります。それゆえ剣を教える際には、非常に厳しく接することにしています。私にとっては何より、指導者の未熟さや不理解で子どもが怪我をすることはもっとも忌むべきことであるので、時に厳しすぎると言われても大事のないことを最優先に考えて剣を指導するようにしています。

名古屋至誠館の一つの稽古内容は「身体作り」にあります。この1年間、身体の動かしかたの理を稽古してきたことを踏まえて少し前から、黒帯の人を皮切りに剣術の稽古を始めることにしました。言いかえれば、名古屋至誠館では普段の稽古内容が剣術の稽古をする土台作りと並行していた、というわけです。そういう稽古をしてきたから、最近ようやく剣の稽古をできるようになったのです。丸投げ館長ですが、たまにはそんな先のことを考えながら、深~く稽古を進めていたのです。多分。

とはいえ、まだまだ課題はたくさんあります。少しでも早く十分に満足な剣の稽古ができるよう、まずはこれまで剣をやったことのある有段者と茶帯のみなさん、しばらくは真剣に剣術に時間と力を注いでいただければと思います。

「剣の稽古について」への1件のフィードバック

  1. 今日は稽古後稽古でも合わせたり自分で振ったりしてましたが・・・、ワタシはまだまだ腕で振ってます。ってことは、明日は筋肉痛かぁ_| ̄|○
    シッカリと腰の入った振りができるよう、稽古を重ねたいと思います。
    さ、DVD見て型も覚えよぉ~っと===З

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