「自分の合気」を目指して3(補足)

本題からそれるので、後回しにしましたが、以前稽古方法について質問を受けたこととも関わるので触れておきます。

前の記述で道場の稽古スタイルを二つあげました。
 (1) 単一の目的に向かって、統一された稽古を行なう
 (2) 個々の目的に向かって、それぞれが稽古を自分なりに解釈する

この長短について大まかに述べておきます。
(1)のスタイルの道場では、「このやり方をしなさい」と統一された単一の方法を教えてくれます。そのため、門人は自身が向上するためにどのような稽古をするべきか悩む必要はありません。指導されたことをしっかり稽古すれば必ずその目的とする方向に向かった稽古をすることができます。
それゆえ、長所として特に最初の頃は成長のスピードが速く、あるレベルまでは迷う事もなく上達することができます。
しかし一方で、同じ点において短所が存在します。
道場の目的と最初から最後まで目的が一致している人でかつ、稽古方法もその人に適している場合はこれほど理想的な稽古方法はないのですが、自分の目的が道場の目的と一致しない場合や稽古方法が自分にあっていない(その稽古方法ではなかなか上達できないと感じる)場合には非常につらくなります。
指導される稽古方法を続けて上達したとしてもそれが自分の目指すものでなかったり、一生懸命やっているのに全然上達しなかったりと、本人にとっては本当に深刻な悩みになるケースが多いです。

(2)のスタイルの道場では、「自分で考えなさい」と放り出されてしまう部分があります。そのため、門人は自身が向上するためにまず何をやったらよいかから悩まなければなりません。特に最初は何をやったらよいかわからないので、色々なことを試してみて雑食になったりします。自分の稽古する方向が簡単にはみつかりません。
それゆえ、短所として最初の頃は成長のスピードが遅く、また人によっては「この道場はあんまりきちんと教えてくれない」「もっと簡単な方法を教えてほしい」と思ったりします。
このスタイルの長所が現れるのは、有段者になって以降だと思います。
最初の悩ましい時期を超えて、一通り技ができるようになってくると、次第に自分の目指すべき方向も見えてきます。また、自分が抱いていた当初の目的が変わった場合や自分の資質や技術の上達の過程に合わせて稽古方法を組み直したり修正することが常にできます。最初から方向を探すことを稽古の一環としてきたからです。
最初にかなり悩みながら時間をかけて稽古することができない人には向かないスタイルかもしれません。

上記のように、それぞれ一長一短があります。どちらがよい、とは多分結論できないと思います。
その上で、私自身は道場のより多くの仲間とよい長くに渡って一緒に稽古をしたい、という思いからじれったいと思われるかもしれませんが(2)のスタイルを採っています。
道場生のみなさんのご理解をよろしくお願いします。

「「自分の合気」を目指して3(補足)」への3件のフィードバック

  1. 本当に、おっしゃる通りですね。
    私は今の目的が明確だからこそ、(2)で稽古できてますが、
    大きな壁にぶつかった時のリカバリーは、大変時間がかかるのを
    過去何度か経験してきました。
    まぁ、そういう時には道友を頼ればなんとかなると思います。
    悩んでいる技は、かけられて体験すれば良いんです。
    完敗した技を素直に教えて頂いたら良いと思います。
    少なくても、至誠館にはそれがありますので大丈夫でしょう。

  2. どうしても早く成果を求めてしまいがちな私、、、
    これも年齢的なものが求めるのかもしれません。
    悩ましいですねぇ~(/・ω・)/

  3. ある意味、とても切ない話だなと。
    昔、合気道は芸術であり、ダンスだとよく言われました。
    それは、よく耳にするところの社交ダンスとの共通性とか、演武として人に感動を与えるとか、そう言った意味合いだけではなく、武の技であるとともに自己表現という事なのだろうと理解しています。
    確かに先生によって、様々な合気道(の考え方)があります。
    多分それは、その先生の人間性、道、人生についての考え方、理想などか自然と形となって、技、演武、稽古法として表現されているんだと考えています。
    だからこそ、好き嫌いもあり、自分の技であり、その中には譲れない物があると。
    という事は、100人合気道家がいれば合気道も100通り。
    ひとつとして同じ物はないと思います。
    同じ先生の下で同じ技、同じ方向性を目指して一緒に頑張っていっても、出来上がる作品は同じ物ではないのではないでしょうか。
    当たり前の事なのだろうとは思いますが、中にはそこに、寂しさを感じてしまう人もいらっしゃるのだろうな。。と思いました。

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