反復稽古と惰性

もうすっかり春ですね。
基本の型稽古や反復稽古を繰り返すことが初心者にとって上達の早道であるとは、以前書きました。また一方で反復による惰性ついても述べました。
反復稽古の目的は身体に合気道的な動きの習慣を染み込ませるためのものであり、そうである以上稽古の目的は「癖をつけること」であり、その動きに一定の癖や間違いがあるリスクは織込み済みであると考えます。
問題は一定の動きができるようになった後でしょう。上記の目的がそれなりに達成されてからも同じような稽古を繰り返しているだけだと、惰性と癖の部分が助長されて後から修正することが困難になります。
この時点からは自分の身体との対話が始まると考えています。人間の身体には反射的な学習能力、言い換えれば慣れる力があります。この力は初めて物事を習う際にはそれまでやったことがないことを身につけるのにとても役に立つのですが、一定の閾値を超えると強い癖になるのでず。例えば家具の配置を変えてもつい、以前の場所を探してしまう、などです。
ある程度の形を覚えた辺りで、癖にならないように修正を入れながら稽古する。それが理想だと思っています。癖がついた後では修正は難しく、場合によっては修正というよりは再構築になりかねません。これはとても大変です。
とはいえ、実際にはそのタイミングを自分自身で判断することはまず不可能だと思います。そこがまた武道の難しいところではないかと思います。
いつものオチになってしまいますが、いい稽古をするのは難しいと思います。

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください