力を抜く稽古はとても難しいと思います。力を抜く練習をしているときにやってしまいがちなのが、妙にふにゃふにゃになって軸や重心までも失ってしまうことや、実は力みが残っているのに「抜いたつもり」になってしまうことです。
稽古している本人にとって特に困るのは「抜いたつもり」になることだと思います。実際には力んでいる状態なのに、それを「力が抜けている状態」だと勘違いして意識と身体に覚え込ませる(刷り込ませる)ことをしてしまうと、後々修正が非常に困難になってしまいます。自分では力が抜けてきたつもりなのに、なかなか技がかからないという状態は焦りやストレスの原因になります。もちろん、さらに稽古を重ねていけば修正はされていくのでしょうが、「本当は力が抜けていない状態」を「力が抜けている状態」と思い込むと基準や尺度を誤ってしまい、なかなか望むものを身につけられない、あるいは不必要に多くの時間がかかってしまうのではないかと思います。
自分自身もそうですが、力を抜く稽古は慎重にやらなければいけない、と思っています。
本当に難しいと思います。