遠心力とバランス01

久しぶりに「丸儲けさん」の好きな「小難しい話」です。

技をかけるときに、できるだけ大きく動きたいという欲求と身体のバランスを崩さないようにしたいという欲求の、なかなか調和しにくい二つの欲求が併存します。
特に転換したり回転したりする技については、より大きく相手を崩すためにもできるだけ大きく動きたいと思うわけですが、何も考えずに大きく動くと自分の身体のバランスも崩れてしまいがちです。

「バランスを崩さないように動く」については、また改めて述べることにして、今回は「より大きく動く」ための私なりの考察をしてみたいと思います。

・バランスが崩れないように、軸をしっかりと意識して動く
・手足の動きが軸の動きと完全に一致している

という二点をきちんと意識して稽古していると回転する技において、身体の個々の部位は同心円を描くことになります。そして多くの場合手先とつま先の動きが同心円の最外殻を形成することになります。
物理的に考えると円の動きに対しては外向的な力すなわち遠心力が働くことになります。この遠心力は同心円を描きで同一速度で運動している身体の個々の部位の中では、その最も外側に位置する部位が一番大きくなります。
簡単に言えば、動きの一番外にある「手足が一番外に向かって引っ張られていく」わけです。
こういえば、なるほどと思う人もいるかもしれません。
身体は軸を中心に安定しているわけですから、円運動において安定する側に働く力は内向力であり中心である軸に向かって働く力なわけです。
逆に、身体のバランスを崩すのは身体の中心軸から離れていく方向に働く力なので、円運動の動きにおいては身体から遠いところで早い回転が行われるほど外側に振られてバランスを崩しやすくなります。

力を使わないためには、円運動を辞めるわけにはいかないので、最外殻に生じる遠心力をどうにかして軽減するようにしなければなりません。
そのために必要なのが、「速さのコントロール」と「遠心力を相殺する力の意識」だと思っています。遠心力は速さに比例するので力任せに振り回せば、より大きくなります。どんな上級者でもそこに働いた力を制御することは不可能です。そこで、最外殻での運動速度が過度にならないようにコントロールすることで遠心力を抑制することが大切になります。こちらは比較的理屈でい理解しやすいかな、と思っています。

もう一つの「遠心力を相殺する力の意識」は言葉にするのが難しいです。これは単純な一つの動きや意識ではなく、筋肉の緊張・弛緩、軸が傾斜しないようにする、など複合的な要素があると思うのですが、ちょっと眠くなってきてまとめる思考力がなくなってきたので、明日にでも続きを書きたいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください