「子どもだまし」という言葉があります。子どもでないと騙すことができないくらい稚拙・レベルが低いことやもの、という意味ですが、合気道を子どもに教えていて思うことは「子どもだまし」なものでは子どもは騙せない、ということです。
確かに合気道を始めて間もない子どもは、簡単な技をやらせてそれができたことを褒めてやるととても喜びます。しかし、ある程度技術が向上すると大人とは比べ物にならないくらい「もっとうまくなりたい」というこだわりが強くなってきます。
そんなときに「子どもだからこの程度」という気持ちで稽古をさせたり、あしらったりすると子どもは途端にやる気をなくしまてしまいます。きっと「子どもだまし」なことなんてやりたくないのでしょう。だから子どもの稽古する際にはいつも緊張します。子どもだましなことをしないようにしながらも無茶な稽古にならないように、常に可能な限り細心の注意を払って子どもの稽古をするようにしています。そんなわけで子どもの稽古をするのは疲れます。大人の稽古の方がはるかに気楽です。