続いて4つ目は春分の日。この祝日はもともと年によって日にちが変わる祝日でした。もともとは昼と夜の長さが同じになる日で、天文観測によって決定されます。そのため、3月20日になる年と3月21日になる年があります。
ところで、「なんで昼と夜の長さが同じになると祝日なんだ?」と思う人がいるかと思います。私もその一人です。
祝日法によればこの日は、「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日だそうです。そういわれてもねえ。それがどうして祝日になるかわからない。ということで、調べてみました。
どうも、もともとは古代中国の「祖廟を祀る日」から始まり、日本では緑が芽吹き始める時期として五穀豊穣を祈るお祭りがおこなわれていたのが起源のようです。
農耕が重要な時代においては、その節目となる日は祝日にふさわしかったんでしょうね。ちなみに、春分は二十四節季の一つでこの日から清明節までが一つの節季となります。
5つめの祝日は昭和の日。この日の成り立ちを知っている人はすでに「古い人」です。この日はもともと昭和天皇の天皇誕生日でした。私も古い人なので、生まれたときからこの日は当然に祝日だったわけです。
ところが、平成になって4月29日は「みどりの日」となり、その後また「昭和の日」と名前が変わりました。古い人たちはそのことはご存じと思いますが、不思議に思っている方も多いのではないでしょうか。
これは実は法律上の問題で、戦前には「天皇が崩御された日は大祭日として休日とする」という旧祝日法があって崩御された天皇の記念日が自動的に制定されたのですが、現在の祝日法では崩御された昭和天皇の記念日を祝日とする条項がないため、国会で審議して何とか祝日にしようと苦労した結果上記のような変遷をたどったわけです。背景にはGWの祝日の一つをなくさない、ということもあったようです。
6つめの祝日は憲法記念日。1947年5月3日に日本国憲法が施行されたのを記念して翌年に制定されました。現在の平和憲法を祝う祝日なので、この日もやはり毎年固定日となっています。
7つ目の祝日はみどりの日。おそらく一年でもっとも不思議な祝日です。実はこの祝日、わざわざ制定される必要はないのです。というのは祝日法3条3項で「その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする。」という規定があるため、5月4日は自動的に休日になるのです。これも古い人たちはご存じですが、以前は「国民の休日」と呼ばれていましたよね。先ほどの祝日法3条のためです。それをわざわざ「みどりの日」という名前をつけたのは、GW感をたっぷりにするためでしょうか、それとも4月29日に制定されていたみどりの日の行き場を確保するためでしょうか。
ちなみにみどりの日の趣旨は「自然にしたしむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」だそうです。祝日法的にはどうせなら5月1日を「みどりの日」として欲しかったと思うのは私だけでしょうか?
8つ目の祝日がこどもの日。「こども」は漢字ではなくひらがなで書くそうです。端午の節句と一致します。その趣旨は「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」だそうです(祝日法による)。これも祝日大好きな私は子どもの頃から「男の子の節句は祝日なのに、女の子の節句は祝日じゃないんだ」と不思議に思っていました。この点については、実は3月3日の上巳の節句が祝日でないことを差別だとする運動もあるそうです。祝日が増えることには反対しません、私は。