9番目の祝日は海の日です。海洋国日本でありながら、これまで海にちなんだ祝日はありませんでした。未成年の人のほとんどにとっては生まれた時から当たり前に祝日だった海の日。実は制定されたのは1996年ととても最近なのです。
海の日は制定当初7月20日でしたが、現在ではハッピーマンデー法により7月の第三月曜日となっています。もともと7月20日は「海の記念日」でした。この日も実は明治天皇にちなんだ記念日です。
海の日の趣旨は「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」だそうです。
10番目の祝日が敬老の日。「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」日で、現在はハッピーマンデー制度で9月の第三月曜日ですが、もともとは9月15日でした。今の高齢者の方が聞いたら怒るかもしれませんが、もともとは「としよりの日」という名称でした。秋晴れの天気のよい9月の中旬を選んで設定された記念日で、日本各地で長寿を祝う催しが開かれるようになり、それが広まってついには祝日となったという日本独特の祝日です。この祝日は制定当初から社会受けがよく、サザエさんなどでも何度もネタとして取り上げられています。もちろん、そこに描かれている人々は「としより」と言う呼称に腹を立てるよりも祝日の制定を喜んでいます。
11番目が秋分の日。これは春分の日と同じく、秋分(もともとは昼と夜の長さが同じになる日)の日。本来は春分の日と反対に置かれ、豊かな実りを祝うお祭りがおこなわれる日でした。ところが!
現在の祝日法では「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」となっています。なんと! 春分の日と秋分の日はその趣旨が全く違うのです。
これは皆さん、知らなかったのではないでしょうか。
ちなみによく「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、春分の日と秋分の日の気温は十度以上違っているのをご存じでした?
12番目が体育の日。「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」日で、1964年(昭和39年)に東京オリンピックの開会式が行われた10月10日を祝日として制定したものです。この祝日もハッピーマンデーによって現在では10月の第二月曜日となっています。
ところで東京オリンピックは「夏季オリンピック」なのに、開会が10月でした。その理由は秋雨前線が去る頃で天気が良い日かつゴロの良い日だと言われる節と、10月10日が晴れの特異日(データ的にほとんど雨が降ったことがない日)だと言われる節があります。どちらにしても、秋晴れの心地良い天気の下オリンピックが開幕したことは間違いないでしょう。