後輩に合気道を教えるという経験は長いですが、人から先生と呼ばれて合気道を教えるようになってはまだ10年も経ていない若輩者です。
他人に、特に子どもや初心者に合気道を教える、ということは本当に難しい!
未だに何がよくて何が悪いか、何が正しくて何が間違っているか、何が早道で何が遠回りかよくわかりません。
なので、どうやって子どもや初心者に合気道を教えたらいいか本当に自信はありません。
ただ、自信はなくてもいろいろ考えてできるだけ教える相手が上達できるようにいつも努力はしているつもりです。その点は(認めてくださいではなく、)ご容赦下さい。
そんな中で思うことは、そういう相手にどのように合気道を教えるか悩むことは、事前に悩むことも稽古をやりながら悩むことも、稽古を終えた後に反省することも非常に役に立っていると思います。
前の初心者に技をかける点について感じているジレンマに触れましたが、子どもに対しても同じようなジレンマを感じることは多々あります。
子どもに技を教えることは直接に自分の技を向上させることになるとは思っていません。ただ、普段自分が自分自身の向上の為に創意工夫しているのとは別の視点を手に入れたり困難や工夫をすることができるよい機会だと思います。
もちろん、合気道を稽古する者である以上、何より自分の向上が重要(第一目的)なので教えるばかりというのは嫌になってしまいますが。
合気道に限らず、広い視点やさまざまな角度から物事を見たり、検討することはよいことだと思います。
教えるという立場に立つようになってはっきりわかることですが、初心者に教えるのに比べて有段者に教えるのは本当に簡単です。経験によって蓄積された共通認識や感覚を前提とすることができるので、説明が拙くても理解してくれます。それに比べて初心者にはそれがないですから、どこから教えればよいかすら手探りで探ることになります。
それゆえに、もう一度自分のこれまで通ってきた過程を振り返らざるを得なくなるのであり、そこに原点への回帰もあるのではないかと思います。そういう意味で、初心者に合気道を教えることは非常によい経験だと思っています(もちろん大変であることと、そればかりでは嫌になってしまうというのは先に述べた通りですが)。
いつもは体験や、新入門者への指導は他の有段者の方がおこなってくれます。だから今回の体験会では一から自分で考えてみようと思いました。当日も話をしましたが二週間位前から、ずっと考え続けて、当日も修正を入れながら、終わった時には知恵熱がでるかと思いました。
結構大変だったんです。でも、色々な意味で久しぶりに忘れていた感覚を思い出せてよかったと思っています。