北の都
1、北の都に秋たけて われら二十の夢数ふ
男女の棲む國に 二八に帰るすべもなし
2、そのすべなきを謎ならで 盃捨てゝ歎かんや
酔へる心の吾れ若し 吾永久に緑なる
4、髪は緑の青年が 友情の園に耕ひし
いや生き繁る友垣や 三年の春とめぐる哉
5、竪琴とりて自治の歌 声高らかに奏づれば
三つの城辺の山彦の 今を限りに呼びかへす
6、自由の為に死するてふ 主義を愛して死するてふ
男の意気地今も尚 石に砕きて砕き得じ
7、藻の花ひらくうつし世に 潮の流れ渦をまく
名もなき道を行く勿れ 吾等が行手星光る
8、氷魂の如吾胸に 抱く心の解け出でゝ
語り明かさん今宵かな 星影冴ゆる記念祭