21日に午後の稽古でおこなった脱力稽古法について、江戸川橋丈彦先生のやったことを私なりの理解でまとめておきます。
でないと、次回の稽古で「壁に向かって話をするNoriさん」と「Noriさんに言われて壁に向かって話をするリアクションHさんと日拳T君」が現れて相当異様な光景になりそうなので。
1.
当たり前のことですが、普通人は自分の足で立ちます。
そしてこれも当たり前のことですが、地球には重力というものが存在します。
この二つを合わせると、出てくる結論は
「人は自分にかかる重力を自分の足で支えている」
ということです。
2.
次に自分が支えられる重さ、について考えます。
例えば体重60kgの男性と30kgの重さの荷物について考えます。
この荷物が「倒れかけている扉」の場合と「濡らしてはいけない段ボール箱」の場合を考えてみます。
荷物が扉の場合であればそれを支えればよいので30kgは支えられない重さではないでしょう。しかしずっと支えるのは非常に困難です。
そしてそれが段ボール箱の場合常に宙に浮かして持っていなければならないので30kgは担いででもいない限り「持てない重さ」となります。
3.
では30kgの重さの荷物が何か、ですが30kgの重さの荷物であれば「子ども」40kgの重さの荷物であれば「女性」と読み替えることができます。
すなわち、子どもの体重でさえも大の成人男性は持ち上げることはもちろん支え続けることも困難なのです。
4.
この理屈から言えば、子どもであっても自分の体重を全部相手に預けてしまえば、「支え続けれれない=倒れる」すなわち大人を倒すことができるはずなのです。
以外にも軽いと思われている子どもの体重は、実際には充分に重いものであり、それをうまく利用すれば大人も崩せるのです。
その際、技をかける方としてはできる限り「支える」状態よりも「持ち上げている」状態に相手を近づけた方がより効果的になります。
5.
その際特に大人において問題になるのが、「全体重を相手に預けられないこと」と「相手に逃げられてしまう」ことです。
人間にとって安定感がなくなることは非常に不安な要素です。そのため、自分の体重を全部相手に預けるということはなかなかできません。つい30~50パーセントくらいは自分の足に体重を残してしまいます。その分相手にかかる負担は小さくなるので耐えられてしまうことになります。また体重を預けられる方は、そんなのは御免こうむりたいので、相手がググッと体重をかけてきたら逃げ出します。
6.
そこで先日の稽古でもやったように、「しっかりと自分の全体重を相手に預ける」ことと「相手に体重を預けていることを悟られない」ための技術が重要になってくるわけです。
稽古でもやったように、相手に気が付かれないようにしながら自分の重心の位置をコントロールして全体重を相手に預け、そこから相手の上体を「支える」から「持ち上げる」状態へ移行することで負荷を一気に増加させ崩して投げるわけです。
実際の動きについてはかなり言葉で言い表すことが難しいので、分けて書くことにします。
土曜日にやった稽古はそんな意味の稽古です。多分。