剣の振り方について-How to swing the sword-

今月から始める大人稽古で剣もやりたいなと思っているので、事前にちょっと剣の話を。

剣で一番大切なことの一つは「握り」だと考えます。
剣を両手で握った時に、包み込むように握りながら力を入れすぎない。
言いかえれば、剣が手から離れない力を必要十分条件として握る。
剣は比較的外から見てその力の入り具合が分かりやすいのですが、不必要な力が入っている人は肩が張って脇が甘くなる。
特に剣を振り上げた時の脇の開き方が顕著です。
力が入っているいる人の剣は、振り下ろす際に肘から動き始めます。

示現流のように一の太刀にすべてをかける流派ではまた違う教え方をするのでしょうが、後の先を重視して相手に合わせて千変万化する鹿島の剣では、力は下半身で創り出し、上半身と手首や剣先には柔らかさを追及します。
剣をかじった程度の初心者だとこのあたりが理解できないので、やたら力で振ったりぶつかったりします。
もっとも、そういう振り方をしているうちはより高度な実戦や合戦は到底できない(形はできますが、傍目にみて見るに堪えないものになりかねない)ので、基礎のきちんとした稽古が何よりも大切になります。

剣の理は体の動かし方の理の一つであり、柔術にもとても広く応用できます。
これまでの体術の稽古でもそうした点に意識をはらってきました。

体術ではそこそこできていても、剣になると緊張してかたくなってしまう人がいます。スキンさんも書いていますが、柔らかい動きに十分な意識を払いつつ、剣の稽古をしてください。
剣の稽古は我流や力に走らないように、しっかりと行って来たいと思います。
みなさんもそのつもりでいて下さい。
また剣のうまい人が遊びに来てくれると思いますし。

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I think one of the most important thing is “how to grip” in swinging sword.
When you use sword, you shouldn’t grip the hilt with all your strength but wrap it with both parms.
You only have to grip the hilt not to slip the sword.

Biginner put too much stregnth when grip the hilt, so his sides are loose.
Especially, when he brandishes the sword overhead.
If your sides are loose, you can’t put all your strength on the sword.
You can see whether one use the sword appropriately if you look his form. The point is elbow.
Bigginer moves his elbows at first.

In Kashima, you have to adapt your movement with enemy.
So you should keep lower half of the body stead, and keep upper body and point of the sword free.
If you put all your strength, you can’t master the advanced techniques.
If you master “how to grip” the sword, you can adapt it to taijutu.

「剣の振り方について-How to swing the sword-」への3件のフィードバック

  1. 多分方向性が同じだと思いますので追加で私が思っていることを補足します。

    剣を握る際にはとにかく手のうち、手のひらの「ひらがなのてにみえる部分」で握ることを心がけるのが良いと思います。というのも、そこまで厳密に意識しないで指で握ってしまうもしくは指の付け根や手の平全体で握ってしまうと手首が固まってしまうからです。できる限り何も握っていないときと同じくらい柔らかく動かせるのがやはり理想です。

    また剣の素振りで困ったときに使える一つの方法に剣の端を両手で握って振ってみるという手段があります。この持ち方で切り割りや袈裟斬りを行うと普段の持ち方に比べて格段に胸・肩・肘などの可動域が広く感じられるでしょう。そのときの自分の可動域に少しでも近づけれるように気をつけると上達への近道です。

    これは四股円かきでも書いたことで剣術にも共通することですが、素振りでは回数を行うことを目的としないほうがいいと思います。もちろん回数を振ることによって鍛えられる部分はありますので白帯の方には強く言いません。が剣の素振りでは筋肉を鍛えるということよりも大事なことが数点あります。

    ・手の内の柔軟性を高める。
    ・手首・肩・肘・肩甲骨などの柔軟性を高める。
    ・力の集中力を高める。(斬るときのみに一点集中でものうちに力をだす。その際に股間の締め・手の内の締め・丹田への締めなどが一致するよう心がける。)
    ・臍下丹田への集中力を高める。(常に意識する。傾向として振りかぶる際に意識がぬけることがあります。)
    ・自身の姿勢をきれいに保つ。
    ・余分なところは脱力する。(足首・膝や腰、目や肩。いくらでも挙げられると思います。)

    とまだまだ足りないとは思いますがざっとあげるだけでも沢山あります。ですがいきなり沢山のことを同時に意識しては身体が動かないと思いますのでそのたびにこれはと決めたこと1、2個に気をつけるのが良いかなと思います。

    さらに言えばはじめはそれさえも厳しいかもしれませんのでそんな場合に気をつけていただきたいのは道場の中で技の合間や稽古前に歩いているときの自分と比べてみてください。そのときの普段の一歩に比べて、切り割りや袈裟斬りのときの一歩が硬い歩みであればそこに着目するのも良いかもしれません。

  2. N流の練習法や基本についても是非とも伺いたいです。というのも間違っているかもしれませんが全ての流派において最終理想形態は同じようなものであり、違うのはその道筋だけだと私は思っています。要は富士山を登るのに山梨からか静岡からかみたいなもので。ですがどの流派でも最終理想形態まで到達している方は皆無な為、師範同士を見比べても全然違う武道に見えているのだと。ですから、勿論頭でっかちは良くありませんが様々な流派の鍛錬法の良いところどりをしたいと思います。
    ちなみに前の意見で柔軟性を意識する方向を強調しましたが、練習過程では背中や体幹の筋肉を使うためにあえて手首や肘を固めての素振りなどもありとは思っています。

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