諸手取りの続きです。
先の投稿でも述べましたが、諸手取りになるシチュエーションは私の思いつく限りでは武器取りではないかと思います(いつものことですが、他に思いつかないので現段階ではこれに限定)。
とすると、諸手取りの技は何かというのが次の悩みどころかと思います。
例えば武器を持っている側からすれば、諸手で取られている手を切る(振りほどく)のが一番よい形です。そうすれば本来の武器を存分に使うことができます。
そうなんです。ここで悩むのが相手の諸手取りを切って「技」をかける必要があるか、ということなのです。
相手の手を切ったのであれば、武器を使えばいいわけですから(その方が圧倒的に有利だと考えます)、敢えて技をかける必要はないように思えます。またそういう状況で相手は容易に手を振りほどかせてはくれないとも思います。
もちろん「武器を抑える」以外の諸手取りのシチュエーションであれば、手を振りほどいた上に技をかけるというのが効果的な場合もあると思います。
さて、以上の状況を前提に技を考えるとすると、諸手取りの技はがっちりと掴まれた手を振りほどかない(振りほどけない)状態でどのように技をかけるか、ということになるような気がします。
第一の考え方としては、圧倒的に有利な状況を利用して「掴まれる」のではなく「掴ませる」ことがあると思います。相手の武器を抑えざるを得ない相手としては、武器を餌に誘われてもそれに乗らざるを得ないでしょう。そこで、武器を持った手を持たせることで相手の全体的な動きを制約した上で技をかける。先に述べた武器を使った方が圧倒的に有利なのですが、相手がそんなに自由に武器を使わせてくれないとすれば次善策として考えられると思います。
第二の考え方は、相手に手を抑えられてしまった場合です。大半の稽古はこのシチュエーションで行われると思うのですが、相手の力をどのように捌いたり流したりするのかはかなり難しいです。
最初にも書きましたが、こんな風に考えながら現在自分の稽古をしています。
みなさんも時には色々考えてみるのもよいのではないでしょうか。
反復の稽古が何より大切なのは間違いないですが、術理についての考察もよりよい反復稽古をするために良いのではないでしょうか。
第一の視点に激しく同意します。
相手に目標を絞らせる事で、対応が簡単になりますし、
トリッキーな技で被害を被る事を考えたら、
武器を餌に使って組み打ちに持ち込んで、
止めを刺すのが効率的かと思います。