1月4日

その刹那であった。
深淵を見通すかのように静かに据えられた双眸に一瞬光が宿ったかのように感じた気がした。
いや、確かに幽かな揺らめきを感じた。
ただその後に襲ってきた想像を超える衝撃に比べればそれは些細なことであった。
これまで永劫に渡ってその在り方を維持してきた世界が一瞬にして崩壊した。
我が肉体を包む空間は天を頭にし、地に足が根差し、重力という名の絶対無比な束縛を鎖にてその揺ぎ無き秩序を保ってきたはずである。
文字通り驚天動地というより他はない。
「うおーーーーーーーーーーーーーつ」
実際には口に上らない、いやあまりに瞬間のこと過ぎて言葉という形を取ることすらままならない絶叫が心の中に起こる。
これが出来の悪い活劇映画であれば、この場面の時間の流れが緩慢になり
「これはどうしたことだ? 今自分はどこにいるのだ? 立っているのか? 思うように身体が動かない。全くもって理解できない。」
という位の長い独白もあろうが、現実の世界ではそのようなことはない。
次の瞬間、混沌に包まれた世界は再びその絶対なる秩序を取り戻した。
いやそうではない、世界の秩序は事の顛末を通して一瞬たりとも代わることはなかったのだ。
変わらぬ世界の中で、瞬く間に我が身体のみがその姿勢を変え、手から落ちた餅の如くにべたりと地面にひしゃげていたのである。
全く持って不可思議極まりないが、これこそが現実なのだ。

 

 

 


「俺さぁ、昨日夢見ちゃった!」
「まじまじ! どんな夢?」
「昨日見たら初夢じゃん」
「ちげーよ。昨日のはもう初夢じゃないよ」
「じゃあ、なんていうんだよ?」
「わかんない」
「そんなことより、なんの夢だよ。」
「楽しい夢?」
「いや、合気道やってる夢」
「なんだよ、それ。いつもとかわんねぇじゃん」
「だって見たんだからしょうがないじゃん!」
「審査の夢とか?」
「ちがう。田中先生に投げられる夢。めっちゃいたかった。」
「それいつものことじゃん」
「なあんだ。つまんね!」

 


という夢を見ました。
今年も昨年と変わらぬ稽古ができますように・・・・

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